プラスチックによる海洋汚染が世界的な問題になっている
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有害廃棄物の輸出入を規制する「バーゼル条約」の締約国会議がジュネーブで開かれ、汚れた廃プラスチックを規制対象とする改正条約を採択した。2021年1月に発効する。
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バーゼル条約外部リンクは国連環境計画(UNEP)が中心となり1989年にバーゼルで採択、92年に発効した。国連によると、廃プラスチックの規制対象入りは加盟国約180カ国のうち大多数が賛同した。廃プラスチックの排出大国である米国は加盟していない。
今後、廃プラスチックを輸出する際には相手国の承認が必要になる。
スイス連邦環境省外部リンクのフランツ・ペレス国際局長は「スイスにとっては成功だ」とし、汚れた廃プラスチックの輸出の「大幅削減につながる」と述べた。
今回は、残留性有機汚染物質を規制する「ストックホルム条約外部リンク」、有害化学物質の輸出入を制限する「ロッテルダム条約外部リンク」の締結国会議も合わせて開かれた。3つの条約締結国会議を合わせ「トリプルCOPs」と呼ばれる。
これら3条約の事務局長を務めるロルフ・ペイエ氏は、今回の合意が世界の海洋汚染を改善する手助けになると述べた。
ペレス氏は、この問題を「現実的」にとらえることが必要で、「汚染の大部分は必ずしも輸出ではなく、各国の廃棄物管理に関係している」と述べた。こうした理由から、特定の国を支援する新しい「プラスチックに関するパートナーシップ」も立ち上がった。同パートナーシップは「ビジネス、政府、学術、市民社会の資源、利益や専門知識を結集すること」を目的としている。
バーゼル条約のウェブサイトによると、廃プラスチックによる汚染は今や主要な環境問題となり、深刻な広がりを見せている。現在、推定1億トンのプラスチックが海洋で見つかっており、その80〜90%は陸上から流れ出ているものという。
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